元消防官として、事業主の皆さんに火災対策の重要性をお伝えします。
消防計画は、単なる書類ではなく、火災時に従業員やお客様の命を守るための行動の羅針盤であり、「いざという時に本当に役立つか」という視点で具体的な行動手順を盛り込み、日頃から訓練を重ね、全員が計画を理解していることが初期対応の成功につながるのです。
消防計画は、単なる書類ではなく、火災時に従業員やお客様の命を守るための行動の羅針盤であり、「いざという時に本当に役立つか」という視点で具体的な行動手順を盛り込み、日頃から訓練を重ね、全員が計画を理解していることが初期対応の成功につながるのです。
施設の規模別・消防計画のポイント
建物の規模や用途によって、求められる防火対策と手続きは大きく変わります。
ご自身の施設がどこに当てはまるか、確認してください。
小規模施設(占有面積500㎡未満)
小規模オフィスや飲食店、物販店舗などが該当します。
この規模の建物であっても、多くの人が出入りするような施設では、防火管理者の選任と消防計画の作成が義務付けられています。
消防署への届け出は通常不要ですが、万が一に備え、従業員全員が避難経路や消火器の位置を把握し、初期消火や避難誘導の手順を共有しておくことが不可欠です。
中規模施設(占有面積500㎡以上3000㎡未満)
中規模の商業施設、学校、病院などがこれにあたります。
この規模の施設では、法律に基づき防火管理者の選任が義務付けられます。
作成した消防計画は、所轄の消防署に提出し、その内容について確認と指導を受けなければなりません。
計画の内容を実際に運用し、定期的な避難訓練を実施することで、災害対応能力を高めておく必要があります。
大規模施設(占有面積3000㎡以上)
大規模なショッピングモール、工場、ホテル、劇場などが該当します。
この規模になると、さらに高度な防火体制が求められます。
消防計画の作成・届け出はもちろんのこと、社内に「自衛消防組織」を設置することが法律で義務付けられます。
この組織は、火災発生時に初期消火、通報、避難誘導などを専門的に行うチームです。
また、消防設備点検や大規模な避難訓練も定期的に実施し、いかなる事態にも対応できる体制を整えておくことが求められます。